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1:この関係に名前を付けるとするならば

作:かぎ

「ホノカさ〜ん、この後暇? 飲みに行きましょう〜行きましょう〜」

 目当ての女を見つけ、いつもの様に駆け寄る。仕事終わりはいつも気持ちが高ぶっていて、何でも出来そうな予感。

「エザキ中尉……あの、でも、私まだ機材のチェックが……」

 少し腰が引けている女ににじり寄る。
 ホノカは新型アーマーのソフトウェアオブザーバーだ。男臭い軍人の間で、美しい女と言うのは良いもの。今日こそは、彼女を食事に誘おうと、俺は考えていた。

「また、ですか? 中尉……いい加減、に、してください」

「ウルセー、テメーには関係ないだろうっ」

 そこに、だ。
 俺とホノカの間に割り込む影。それは、整備班の繋ぎを着込んだ女だった。可憐なホノカとは大違い。男勝りで、整備班の班長まで勤める猛者。普段なら、絶対に近づかないけれど、この女がホノカと仲良しなのが悪い。
 俺は、幾度と無く、この女にホノカへのアピールを邪魔されていた。
 だから、ホノカに近づく事もままならない。
 全てはこの女のせい。いや、きっとそうに違いない。

「あ、ホノカさ〜んっ」

 女とにらみ合っている間に、ホノカが足早に去っていく。
 舌打ちをし、女を睨んだ。
 女はと言うと、そんな俺を一瞥し、身体を翻した。
 この女は、間違い無く、俺の天敵だった。

もどかしい二人へ5のお題 >> お題提供:リライト


2005/09/16


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