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2:あと、10センチ
作:かぎ
酔っていた。
最近は平和なもので、出撃も無く訓練の日々。
だからなのか、酒の量は増えるばかりで、毎日そればかりだった。
いつもと違う帰り道を通ってみると、女子の宿舎が見えた。ほんの悪戯心、ふらふらと忍び込んだ。
こうなると、だんだん歯止めが効かなくなる。例えば、ホノカの部屋番号は確かコレだったとか、ちょっとドアが開いていないかなとか。ドアが開いていないとなると、カギを弄って開けてみたり。
「と言うわけで、頂きます」
酔っているなりに、丁寧に挨拶をし、布団の上から女に近づく。
別に、本当に何かをするつもりは無かったけれど、まぁコレくらいは良いんじゃないかなとか。気軽に思っていた。
「ふ……うん?」
規則正しく聞こえていた寝息に若干の乱れ。暗いので女の表情は分からない。何か呟いた後、女の腕が硬直した。
気が付いたのか。
では、お休みのキスでも頂こうかなと、暴れ出しそうな女に構わず、顔を近づける。
「……中尉? っ」
目が暗闇に慣れて来た。
あと、10センチ、と言うところか。良く見ると、期待していた女の顔は、それではなかった。
「アレ? 何でお前なんかが……?」
どう言う事だろう?
今目の前にあるのは、ホノカではなく、いつもいつも邪魔をする、整備班の女だったのだ。
部屋を間違えたのだろうか?
酔った頭では答えは出なかった。その代わり、まぁいいかと言う思い。女にはかわりないのだし、と、俺は更に顔を近づけた。
女の方は、必死に抵抗している様だった。しかし、本気の男の力に敵うものか。その上、布団で覆っているので女の方は全く思うように動けない様子だった。
「やめてください……お願い……」
弱々しい声。はじめて、女と目が合う。ぐす、と。その声で、自分の下の女が泣いているのだと知る。
もどかしい二人へ5のお題 >> お題提供:
リライト
2005/09/16
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