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5.全てに絶望を

作:かぎ

「セイカさん…今週の薬です」


 身体検診の後、いつもの様に薬を手渡される。
 これは元ある力を増幅させるための薬だ。あたしの力は元々そんなに大きなものではない。こうして、ドーピングして力を増大させているのだ。
 副作用は無いと聞いているが、それはどこまでが本当なのかは分からない。
 一つ言えるのは、この薬を飲んでいると、力を使う苦痛がないのだと言う事。
 飲み込んだ苦味に、顔をしかめる。


「……苦い」


「ん?」


 思わず口に出した言葉に、医師が反応をする。
 あたしは、慌てて、何でもないと言う風に微笑んだ。
 不満を言っては駄目。
 逆らっては駄目。
 少しでも『難あり』と評価されてしまえば、あたしは処分される。
 反軍の可能性ありと、処分される。


 あたしは、そうやって、絶望の中生きていくのだろう。
 だから、あの女が許せない。
 あたしと同じに能力者のクセに。
 だから、あの女の全てに絶望を与えたい。
 今は、そんな気持ち。

PATTERN 13 >> お題提供:pattern−α


2005/07/10

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